つい先日まで、「暑い!暑い!」と言っていたのに、風に乗って、秋祭りの祭り囃子の聞こえてくる季節になりました。
衣替えもあり、子どもたちもブレザーを着て登校してきました。
夏の疲れも、少しずつとれてくる頃かと思います。
「先生が教える小学校と勉強」の風路でございます。
ところで、「うかつあやまり」という言葉を耳にした方、いらっしゃいませんか?
少し前に、「江戸しぐさ」について、お伝えしたことがございます。
これの詳細は、最後にリンクできるようにしておきますので、そちらをご覧下さいね。
この「江戸しぐさ」、今年度から使うようになった道徳の副読本にも、採り上げられ、知る人ぞ知るものなのですが、これに含まれるものの一つに、「うかつあやまり」があります。
今、社会科では、江戸から明治へ移っていくあたりの学習をしています。
「江戸しぐさ」は、その江戸の町の人々が、自然な形で身につけた、人付き合いをする上での作法とでも言うべきもの。
江戸の町人の子どもたちは、他人に迷惑をかけないように、親に厳しくしつけられました。
例えば、「往来で、他人の通行の邪魔をしない。」ということについては、「肩引き」や「七三歩き」などに代表される江戸しぐさがあり、江戸っ子はこういったことを、幼い頃から体で覚えてきたんですね。
そうはいっても、うっかり人様に迷惑をかけてしまうことはあるものです。
そのようなとき、直ちに、「ごめんなさい。」と謝るのが「うかつあやまり」と言われるものです。
往来で、人様の足を踏んだ者がお詫びをすると、
「とっさに足を避けられなかった私も、うかつでした。すみません。」
と、踏まれた者も謝り返す。
江戸っ子は、このように素直に謝ることで、人付き合いをスムーズにしようとしていたようです。
早めに謝ることは、争いごとを避けようとする生活の知恵でもあったわけですね。
また、「うかうかしていたから、足を踏まれたんだ。」
と、危機管理ができていない、自戒の意味もあるようです。
参 考