ゴールデンウィークに突入しましたが、学校は暦通りの休みのため、今のところ飛び石状態。
まとまったお休みは、もう少し先になりそうですね。
「先生が教える小学校と勉強」の風路でございます。
さて、先週の火曜日は、全国の小学6年生と中学3年生が「全国学力・学習状況調査(学力テスト)」に取り組みましたが、挑戦した皆さん、いかがでしたか?
基礎的な知識力を問う「A」とそれらの活用力を問う「B」。
身につけた知識をいかに活用するかの活用力は、これからの時代に不可欠な力。
ペーパーテストにどんなに正解しても、実生活で使えなければ、何にもなりませんからねえ。
5年生の時の算数の割合の学習でも、かなりやりました。
「外税の場合、1500円の本は、5パーセントの消費税の今と、8パーセントの消費税になったときでは、いくら値段が違うの?」
とか、ね。
ところで、国語Aの問題に「五十歩百歩」と「百聞は一見にしかず」の2つの故事成語の正しい使い方を問う問題が出ました。
かなり以前に、国語の教科書に「五十歩百歩」の由来になった話が出ていたことはあります。
こういったものは、常々、生活の中で使っていない限り、授業だけですべて網羅するのは困難でしょうね。
最近、「ボキャ貧」などという言葉もありますが、大人でも語彙力の低下が著しく、表現力がもう一つであるという話も聞きます。
社会人になってからも役に立つ豊富な語彙力を身につけさせるためにも、故事成語などを、生活の中の会話に大人がどんどん取り入れ、使っていきたいものですね。
子どもでもわかりやすいところでは、「矛盾」(つじつまがあわないこと)とか。
由来の説明がしやすいですよね。これは。
楚(そ)の国に矛(ほこ)と盾(たて)を売り歩く者がいた。
その者が自分の矛(ほこ)と盾(たて)とをほめて、「私の矛(ほこ)はどんな固い盾(たて)でも突き通す。」「私の盾(たて)は、堅固でどんな矛ほこ)でも突き通せない」といって自慢した。
そこで、ある人が、「おまえの矛(ほこ)でおまえの盾(たて)を突いたらどうなるのか。」とたずねた。
すると、この売り手は答えられなかったということから、この語ができた。 (韓非子)
「蛇足」(必要のない物、あっても何の得にもならないもの)なんていうのも、小学生向けかもしれませんね。
楚(そ)の国の人が数人が集まって、1つの酒の入ったつぼをもらった。
みんなでその酒を飲むと少ししか飲めないので、早く蛇(へび)の絵をかき上げた人がその酒をぜんぶ飲むことにした。
最初に蛇(へび)の絵をかき上げた者が、ひまになって蛇にはない足をつけ足してしまったため、「その絵は、蛇の絵ではない。」と言われ、2番目にかき上げた者にせっかくの酒を取られてしまったことから、この語ができた。
「杞憂」( 取り越し苦労のこと。無用の心配のこと。)なんていうのは、小学生としては、少々上級かも。
「杞(き)」は、周(しゅう)の時代にあった国の一つ。
杞の国の人が天が落ち、地がくずれたらどうしようか思い悩み、寝ることも食べることもできなかったということからこの語ができた。 (列子)
二字熟語のものをあげてみましたが、「漁夫の利」とか、「玉石混淆」とか、「四面楚歌」とか、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」とか、適した場面に使ってみましょうか。
「四面楚歌」とか、使う場面がないといいですが。あ、使ってみましょうと言っておきながら、「矛盾」でした。
参 考